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トップリーグ入替戦

その他試合・活動 トップリーグ入替戦

2018.12.23

13:00 K.O.

熊谷スポーツ文化公園(県営熊谷ラグビー場)

日野レッドドルフィンズ
21
18 - 3
3 - 8
11
近鉄ライナーズ
TGPGDGTGPGDG
2120前半0010
0010後半1010

『スクラム、接点、猛タックル、そして我慢…、みんなでつかんだTL残留』

 メリー・クリスマス! 勝った、勝った、日野レッドドルフィンズが勝った。トップリーグ(TL)残留をかけた入替戦。電光掲示板が「79」分を示す。「もう1分、もう1分」。日野応援団のTシャツで赤く染まったスタンドから大声が沸き起こった。
 日野のラインアウトからFWがラックのサイド攻撃でボールをキープする。終了ホーンが鳴る。スタンドオフの染山茂範がタッチに蹴り出して、ノーサイドとなった。ピッチ上の日野選手たちも、スタンドの日野ファンも歓喜の爆発だ。ブレザー姿の日野のノンメンバー、日野自動車の市橋保彦会長、下義生社長も喜びに浸った。
 前週の宗像サニックス戦での終了直前の逆転負けから、日野は立ち直っていた。トップチャレンジリーグ3位とはいえ、古豪近鉄は過去、TLに長年在籍していた。チームとしての経験値でいえば、TL初昇格で14位となった日野がむしろ、チャレンジャーだった。
 闘将のロック村田毅によると、勝因は①コンタクトプレー②セットプレー(スクラム、ラインアウト)③我慢―の3つだった。近鉄の強みがフィジカル、ディフェンスのラッシュアップ、外国勢のランだった。そこでファイトする。圧倒するのだ。
 スクラム、ラインアウトでは終始、優位に立った。そのラインアウトからのスペシャルプレーで2本、見事にトライを奪った。これは分析、準備の賜物である。
 まず前半20分過ぎだ。スコアは3-3。敵陣ゴール前の左ラインアウトだった。近鉄は投入したボールのジャンパーに競ってくることはわかっていた。そこで日野はムーブ(サインプレー)でスローワーのフッカー木津武士側にスペースをつくり、そこにロックの村田主将が駆け込ませた。慌てる相手を1人、2人と外し、そのまま左中間に飛び込んだ。ビューティフルなトライだった。
 さらに10分後、またも左ラインアウトだった。フッカーの木津が最後尾のうしろにロングスローを放り込んだ。そこにフランカーの西村雄大が走り込んでキャッチ、少し外に引っ張り、内側のスペースに駆け上がったウイング竹澤正祥にパス、竹澤が3人かわしてポスト左に躍り込んだ。これまたビューティフル、日野が15-3とリードした。
 前半、そうは目立たないけれど、フランカー佐々木隆道、西村、ウイングの小澤和人、竹澤、センターのオーガスティン・プル、松井佑太の猛タックルがリズムをつくった。フッカー木津のナイスセービング、40歳プロップのしぶい戻りのタックルもあった。
 SO染山の効果的なキックもゲーム展開を優位にした。また課題だったトランジション(切り返し)での外のディフェンスがよく整備されてもいた。みんな必死だった。
 後半は我慢がつづいた。崩されなかったのは、スクラムの安定があったからであろう。この日31歳の誕生日だった“バースデー・プロップ”、パウリアシ・マヌもがんばった。モールも押し込んだ。ブレイクダウンもファイトした。ほとんど相手のスピード展開を許さなかった。これはおおきかった。
 互いにペナルティーゴールを蹴り込み、後半35分、近鉄にトライを奪われた。21-11と追い上げられた。直後のキックオフのボールに村田主将が猛然とタックルにいった。その後もタックル、タックル、またタックル。見ていて、涙が出そうになった。
 課題の規律(ディシプリン)もよく守り、この日のペナルティーは相手12に対し、日野は8だった。なんといっても、80分間、選手の挑みかかる気持ちがゆるまなかった。
 日野にとっては、試練、格闘のシーズンだった。苦しみながらも、入替戦をしのぎ、日野はリーグ残留を決めた。来季もTLというステージで戦う権利を確保した。
 このシーズンは大きな財産となる。チームへのクリスマス・プレゼントはこの「経験」だろう、きっと。

Text By 松瀬学

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