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カップ戦 VSパナソニック ワイルドナイツ

CUP戦 第1節

2019.06.22

14:00 K.O.

熊谷スポーツ文化公園(県営熊谷ラグビー場)

日野レッドドルフィンズ
29
17 - 31
12 - 0
31
パナソニック ワイルドナイツ
TGPGDGTGPGDG
2210前半4410
2100後半0000

『あと1歩…。“日野ピクチャー”、まだ発展途上~トップリーグカップ開幕』

 あと一歩。あと2点だった。トップリーグ昇格2年目の日野レッドドルフィンズは、強豪パナソニックに勝ち切ることはできなかった。でも、価値ある「勝ち点1」である。
 ラグビーワールドカップの会場となる熊谷ラグビー場だった。どしゃぶりの雨の中、約3千人のファンがスタンドを埋めた。試合開始15分前から、日野ファンの赤色の大旗が右に左に揺れる。太鼓の音、大きな声援。
 「イケ、イケ、ヒーノ!」
 ことしはRWCが開かれるため、トップリーグは変則日程となった。トップリーグカップはこの日開幕し、8月10日まで行われる。トップリーグの15チーム(トヨタ自動車は参加辞退)とトップチャレンジリーグの8チームの合計23チームが参加。4つのプールに分かれ、総当たりのプール戦を戦い、各プールの1位4チームが決勝トーナメントに進む。日野の目標は当然、優勝である。
 この試合、日野のゲームの入りは芳しくなかった。キックオフ直後、スクラムのコラプシング(故意に崩す行為)で反則をもらい、ペナルティーゴールで先行したが、コンタクトエリア、ブレイクダウンで受けに回った。雨のため、ボールが手に付かない上、パナソニックの鋭く前にでるディフェンスもあってか、ハンドリングミスを続発した。
 パナソニックに簡単にディフェンス網を破られ、前半22分までに4トライを奪われた。ゴールキックを加えられ、3-28となった。昨季までならこのまま、ガタガタと崩れていったかもしれない。が、踏ん張った。ここからの立て直しに成長の跡がみえた。
 先発フォワードの平均年齢が、相手の29歳に対し、日野は34歳だった。左プロップの久富雄一が40歳、新加入のロック北川俊澄38歳、フランカーの佐々木隆道35歳、ナンバー8のニリ・ラトゥ37歳…。
 これぞ職人ぞろいのベテランFWの味だろう。いわば経験値。流れを変えるのは、まずはラグビーの基本、セットプレーからである。ブレイクダウンの攻防からである。
 日野は前半25分、ラインアウトで主将のロック村田毅がナイスキャッチし、左オープンに展開。さらにラックからクイックで左に回し、センター松井佑太―フルバック・ギリース・カカとつなぎ、ウイング竹澤正祥が左から中央に回り込んでトライした。
 日野は前半35分、鮮やかなサインプレー(ムーブ)を決めた。ラインアウトで北川が好捕し、これにボールを投入したフッカー木津武士が走り込んでオープンに引っ張り、内側に切れ込んだウイング小川優輔にクロスパス。小川が鋭いランで中央に飛び込んだ。ゴールも決まり、17-31と追い上げた。
 ことしのキーワードが『日野ピクチャー』。選手もスタッフもチーム関係者もおなじ絵をみようという意味だ。いわば意思統一。前半のラスト3分だった。ゴール前ピンチを猛タックルでよくしのいだ。スタンドの細谷直監督も、控え選手もおなじ言葉を大声で発していた。「出よう、出よう」と。前に出て、タックルしようという意味だった。
 ディフェンスの「結束」は後半、アタックの好リズムにつながった。後半7分、またもラインアウトのサインプレーが決まる。今度は木津がボールを投入し、村田からすぐにリターンパスをもらって快走、そのまま左隅に飛び込んだ。スカッと痛快なトライだった。
 加えて後半31分、つないでつないで、スタンドオフのヘイデン・クリップスがオフロードパス、途中から入ったチョン・ヨンシクがひとりかわして外のウイング田邊秀樹にパス、そのまま左中間に躍り込んだ。ゴールも決まり、29-31と追い上げた。
 日野はラスト5分、攻めに攻めた。スクラムでコラプシングももらった。でも、ラインアウトからのモールを押し切れない。最後は、途中から入ったフランカー西村雄大がノットリリース・ザ・ボールの反則をとられ、万事休した。悔しい悔しいノーサイドとなった。
 日野は間違いなく、攻めの幅が広がった。対応力、復元力も備わった。昨季の「ボールを大きく動かす」ことを進化はさせている。ただ、まだ精度不足。「日野ピクチャー」。全員がどうやって勝つかを理解し、結束し、動くまでにはまだ、至っていない。

Text by  松瀬学

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